昨夜は「奄美の歴史入門」講演会&出版祝賀会が行われたので出席してきました。書籍のご紹介はこちらの記事でどうぞ。
写真は祝賀会でお礼を述べる著者の麓先生ご夫妻。
送信者 シマ巡り2011-1 |
16:30からの講演会ではまず、著者の麓先生が「教科書・資料集における奄美・沖縄の取り扱い」として小学校から高校の教科書の中でどう扱われているかを紹介してくれました。私も高校まで奄美のことを学校で教わった記憶がほとんど無いのですが、今でも記述がほとんど無いんですね。なおさら麓先生の今回の本の価値がわかります。
弓削政己さんは「奄美の歴史を考える-歴史教育と奄美諸島史」として、奄美の歴史を把握する困難さを指摘、また郷土教育の資料の必要性と笹森儀助の青森県郷土教育資料を紹介してくれました。
中山清美さんは「歴史から学ぶ奄美遺産の誕生」として、「奄美遺産」という言葉の意味とその調査方法のご紹介でした。
弓削さんと中山さんの発表はそれぞれ時間が短く、中山さんはパソコンのセッティングに時間をとられてしまってちょっともったいなかったです。別の機会にじっくり話を聞いてみたいもんです。
18時からの祝賀会は特に派手な演出もなかったのですが、テーブルースピーチで色んな方の感想を聞くことができました。
印象的だったのがこの本の出版社、南方新社の社長、向原さんの「古代から現代までの地域の歴史をまとめることができる奄美は幸せな地域」という言葉。(ちゃんとメモをとらなかったので正確ではないのですが。。。)
向原さんは鹿児島では未だに島津家、明治維新、維新の立役者、そして明治政府の偉人が歴史と語られているだけで、その以前の隼人族などは忘れ去られている、とちょっとお酒が入ってるのもあるでしょうが過激な意見でした。
弓削さんのテーブルスピーチにもありましたが、徳之島郷土研究会が出版した「改訂新版 奄美の歴史と年表 第三集」が出版されたのがちょうど10年前。この「奄美の歴史入門」には10年間の新発見が反映されていますが、さらにこの先も新しい発見がありそうです。さらに改訂版が出ることを楽しみにしたいと思います。
コメント
私も社長さんの「奄美は幸せ」がもっとも印象に残り、帰って真っ先に家族に話したところでした!
自分の住んでいた埼玉なんて、一応小学校で郷土について習うことはありますが、今も昔も江戸への通過点でしかないところです。奄美は島だけで古代から現代に至るまで歴史の流れというのが途切れなくあって大変うらやましく思いました。
奄美の歴史を知ってくると”自分たちの地域だけ”と蛸壺になりそうですが、向原さんの発言はすごく嬉しかったですね。弓削さんがいつも指摘していることでもあります。他の地域と比較しながら相対的(って表現であってるのかな)に自分たちの地域を見ていかないといけないと思いました。